想い出

あまからとうさんが、小五郎山の日記と写真をアップしていた。

それを見ながら、昔の思い出=と言ってもトラウマ的想い出。
100m近い高度の崖の途中にぶらさがって、
動けなくなった記憶がフラッシュバック。

まだ20歳。某釣り雑誌の取材員をしていて、カメラを持って、
あちこちの海岸線を歩き回ったり、釣行記の記事取材によく
同行させてもらったりしていた。

その日は、編集長・そして釣りにスキーに(今となっては山歩きの原点は
この人の教えでもあったと思う)人生の師匠の編集部長と一緒に、
「深谷川の天然アマゴを狙って」という取材だった。

一旦、深谷大橋まで行き、ここで川の状況を確認。
100m近く切れ落ちたV字谷で橋上から下を見ると足がすくんだ。

初見から林道に入り、田野原に車を置いて、川に降りて釣り始めた。

編集長は上流へ釣り上がり。編集部長は支流へ。
オラは深谷大橋へ向けて、どんどん深くなる谷筋を釣り下った。

2Km近く釣りしながら下って、深谷大橋が見えはじめた所で時間切れ。
引き返す事にした。

沢を2km歩くのは楽ではない。
釣りしながら下っている時は、無我夢中であっという間なのだが、
釣り終わって、ただ帰るだけの沢歩きはつらい。

少し下流に、ガレ場が見えた。
岩が崩れて、折り重なっていて、上の林道まで登れそうな気がした。
新たに崩れそうな場所もない。
横着をして、そこを登って帰ろうと思ったのが間違いだった。

崩れた岩の最上部までは難なく登れた。
ところが、あと数メートル(3~5メートルくらい)は、むき出しの赤土の直壁。
ほんの少しなのだが、手がかりのない直壁。
ここで引き返すべきだったのだろうが、めんどくさいし、
なんとかなるとその直壁にとりついた。
真ん中位まで登った所で、次の手がかりが無くなって登れなくなった。
降りるにも降りることもできない。
数メートル滑りおちればなんとかなるかも・・・と思って、
なんど滑り落ちようと思ったことか。

その度に、岩場が自分を支えきれず、一番下まで滑落して、
血を流して横たわっている自分の姿が思い浮かぶ。

そのうち、自分はここで死ぬんだ・・・と思い始め、
過去のいろいろな出来事が一瞬のうちに走馬灯のように駆け巡りはじめた。

人間は死ぬ瞬間に、生まれてから死ぬまでの一生の出来事を思い出すというのは、
本当だと思った。

結局、わずかな手がかりと足がかりで体を保持したまま、
片手でクーラーバッグのポケットに入れていた釣り用ペンチを取り出して、
それで手がかりを切って、少しづつよじ登り、なんとか登りきる事ができた。

その後も、藪や石垣など登りつらい場所もあったけど、もう恐怖心はなかった。

その日、帰宅して、某釣具店の店員さんの転勤送別パーティに行ったけど、
その最中に38度を越す発熱となった。

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